梅雨も明け、夜空も美しい時期になりました。

もうすぐ三大流星群の一つであるペルセウス座流星群が極大を迎えます。天文屋にとってはウハウハなシーズンなので例のごとく三脚を立ててカメラを設置していました。

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今回の撮影で注目したのは上の写真です。

南に見える星たちをほぼ直角に横切る流星らしきものが映り込んでいました。

しかし拡大して見ると、どうにも流星にしては軌跡が綺麗すぎるようです。伊代野先生に相談すると、ものによっては人工衛星もこのように見える場合もあるとのこと。本当に流星なのか分析してみました。

2019_08_09

流星と思われる2つの軌跡を拡大したもの(画像1)と人工衛星と思われる軌跡を拡大したもの(画像2)を用意し、ImageJでそれぞれの軌跡上の各ピクセル毎の明るさをグラフ化しました。縦軸が明るさ、横軸が場所を表します。

3つのグラフを比較してみます。上図と中央図は流星と思われる地点において山を描いたようなグラフになっているのがわかります。人工衛星と思われる下図においては、この軌跡は多少変動はあるものの、ほぼ一定の明るさで通過したのだと思われます。

流星は地球大気に突入して発光する現象であるため、このような撮影の仕方だと段々明るくなって段々暗く見えます。人工衛星が明るく見えるのは太陽光を反射しているからなので、明るさは一定のはずです。

したがって今回の画像1の軌跡は流星であると判断できました。

また、ペルセウス座流星群の放射点を考慮すると、長くて明るい方の軌跡はペルセウス座流星群だと思われます。

 

これからペルセウス座流星群は見頃を迎えるので天気の良い夜は空を見てみてください。

虫よけスプレーを忘れずに。。