「地軸の傾きと四季」と「静電気vengeance」(12月)

基礎理学科3年生理数系教員コース科目である「理科教材開発指導」も残り僅かとなってきました. 

今回は,四季の変化をもたらす原因である地軸の傾きと公転の関係を扱う「四季は地軸の傾きに起因する」と「静電気について」です.
  日本の四季がどのように作られているのか自作の地球円盤と白熱球,ルクスメーターを使って演示実験を行います.地球は23.4度傾けるために台座にセットします.夏と冬を表現するために地軸の傾きを可変にしています.日本の北緯に相当する位置にルクスメータをセットして,夏至と冬至に明るさをはかり,比較することで太陽光の届き方を考えます.日照時間とセットの実験ですが,今回時間の関係でこの部分をカットしてしまい,すこし災いしました.
ルクスメータを使った実験は成功しましたが,季節の理解をするためには日照時間の実験も合わせて行うべきだったと,少し反省もありました.入手しやすくなった機器を導入して実験にチャレンジすることは,この科目の醍醐味でもあり,皆歓迎です.
  一方,「静電気vengeance」は,前々回にうまくできなかった自作箔検電器による静電気の理解の再チャレンジです.帯電,誘電,移動,放電などの現象をよりはっきりさせるために,今回は教材として販売されている箔検電器を使用しました.塩ビパイプをセーターやコートで擦り,検電器に近づけるときれいに箔が開きました.やはり販売されている教材は良くできています.しかしここからが大変です.パイプを近づける,接触させる,指で触るなどの操作が行われるたびに,箔が開いたり閉じたりします.目には見えない電気をこれらの動作と箔の動きから理解させなければなりません.実験よりも実験結果の解釈と説明が最も大変なところかもしれません.実験自体は前回のvengeanceとなり,大成功でした.一方で,その説明の難しさも身に染みました.
  理数系教員コース及び理学部教員養成プロジェクトで理科教材開発指導を受講している皆さんの実践力が,確実に積分されている感じがします.頑張って下さい.(IYN)