基礎理ゼミの受講の皆さんへ

こんにちは,伊代野です.Q&Aを以下に用意しました.御覧下さい.

Q.星座の場所は変わることはないのですか?
A.かなり長い年月をかけて星座を構成している星の位置が変わることがあります.普通はわかりません.
私たちの一生とは桁違いの時間がかかります.
星座の移動は,毎日1度変化します.一時間に15度です.前者が公転,後者が自転起因です.

Q.パソコンを使うのが得意じゃないと厳しいですか?
A.必要になると,みなさん使えるようになります.
でも,情報の講義はとって下さい.

Q.星の中で一番見つけやすいのは?
A.太陽を除けば,夏の大三角,オリオン座,アークトゥルス(うしかい座α),カシオペア,北斗七星などの代表的な目印です.
「ひつじうし
  ふたごかにししおとめのざ
    てんびんさそりいて
    やぎみずがめうお」
も覚えてほしい.覚えて何の意味があるかは,野外実践指導実習で考えましょう.芋づる式に分かるようになります.

Aries Taurus Gemini Cancer Leo Virgo Libra Scorpius Sagittarius Capricornus Aquarius Pisces
アリ タウ ジェミ キャン  レオ バーゴ リブ スコ  サジ カプリ アク ピス
こちらは,どうでしょう?

Q.情報はどんなことをしていますか?
A.主には星データやガンマ線実験の解析がらみの開発が多いですね.
開発はC++言語がメインですが,現代の開発では多言語があたりまえになっています.一つ理解しておくと他は類推ができます.

Q.どのような授業をとれば研究室に入れるか?(6)
A.宇宙科学1・2はとって下さい.情報系もなるべくたくさん,物理,数学,地球科学1,2も.野外実践指導実習1,2も.
情報と物理・数学+地学と敷居が高そうですが,オールラウンドである必要はないです.

Q.情報と宇宙にどういう関係があるのですか?(2)
A.大量のデータ解析が発生する場合が多いので,プログラム開発という意味では情報・プログラム開発は腕試しができます.プログラムのためのプログラムではなく,目的ありきの開発を考えています.

Q.研究室に教員希望の人ますか?
A.毎年1~2名の教員希望者がいます.それほど多い研究室ではないです.今年は,広島に現役合格しました.

Q.宇宙は就職が厳しい?
A.そんなことはないですね.但し宇宙の研究職に拘る人は頑張る必要があります.
一般企業,公務員,教員,進学の色々な人がいます.就職というアスペクトでは,どこの研究室も同じかと思います.

Q.ガンマ線て何ですか?
A.原子核や素粒子などで登場するエネルギーの高い電磁波です.熱で作ることができない光という言い方もできます.
星はその中心付近で核融合が起こして,熱を作っています.しかし熱ではガンマ線を作ることはできません.でもガンマ線が宇宙にはたくさんあります.
その起源は,電子+強磁場によるシンクロトロン放射,高エネルギー陽子とガスとの間のハドロン相互作用で生成される中性π中間子の崩壊,高エネルギー電子が電磁波を跳ね飛ばす逆コンプトン効果などがあります.いずれも,素粒子反応ですが宇宙で重要な放射機構となっています.特にこの様な現象は,高エネルギーの粒子を伴うことから,高エネルギー天体現象と呼ばれています.天体だけでなく,銀河中心の巨大ブラックホールなども対象になります.

Q.綺麗な写真はお高いカメラで撮りましたか?
A.一眼のデジカメです.最近は高性能です.

Q.宇宙の研究には物理が得意な方がいいですか?
A.得意な方がいいですが,必須ではないです.好きな方がいいですね.好きだけでも困りますね.

Q.プログラミングの講義は必ずとった方がいいですか?
A.可能な限りとって下さい.研究室では必要になることが多いです.

Q.宇宙に行ってみたい!
A.私もです.でも,本音は怖いですね.

Q.ふたご座流星群の観測はしましたか?
A.2017年12月14日未明は月もなく,天候もよく絶好の観測夜でした.ということで研究室のメンバーで観測しました.データは自動カメラ2台でとりました.今年は,月が無く条件が本当に良かったので,沢山見ることが出来ました.
12月のふたご座流星群,8月のペルセウス流星群,5月のみずがめ座流星群は毎年楽しみにしています.
流星の観測は,過去の彗星活動を解き明かす研究でもあります.過去に1度だけ観測された幻の流星群を追い求めている研究者の方もおられます.また,流星の観測を太陽系外物質の探索という側面で考えている方もいます.

Q.研究室を見学してもいいですか?
A.メールでアポをお願いします.

Q.他大学との共同研究は良くされますか?
A.研究の性質上よくします.それなりに大変です.

Q.野外実習の頻度は?
A.実験実習として「野外実践指導実習1,2」があります.蒜山や前島,学内実習などします.
研究室で観望会をすることもあります.

Q.将来のどのような職業にむいている?就いている?(3)
A.研究室メンバーの4/5程度の進路が企業就職,残りが進学か教員です.
公立学校の教員の現役合格はなかなか厳しいです.今年は1名が現役合格でした.2017年度は卒業生から「合格しました」と報せがありました.
教員以外は,情報系企業,製造業,地方銀行,公務員など様々です.研究が直接結びつく職を目指すなら,大学院進学をすすめます.
但し,学術研究職は別ですね.

Q.多波長の観測はどのように行うか?
A.天文学では,電波は地上観測可能,赤外線は大気圏外=人工衛星,可視光は地上,紫外線・X線は大気圏外,ガンマ線は気球か衛星,超高エネルギーガンマ線は地上という具合に,波長毎に観測装置の設置場所が異なります.これは,2年生の講義で教えますが,宇宙の窓と呼ばれています.
波長ごとに空いている窓が異なるのです.その中で,情報宇宙研究室は,ガンマ線と粒子線に特化しています.

Q.星を見ることで何に活かしていくのですか?
A.哲学的な質問ですね.空間が大きいという意味の「宇」と時間が長い(過去から未来)という意味の「宙」がくっ付いた漢字です.
研究分野としては,物質元素の起源や地球上で精密実験装置でやっと作ることができるガンマ線を宇宙はいとも簡単に作ってしまうのはなぜか,
宇宙は素粒子や原子核の基本法則でできていて,なおかつ多様なのはなぜかは研究対象です.

簡単ですが,以上です.