研究コンセプト

 生合成や代謝、光合成や呼吸など、生体は極めて長い時間をかけて精緻に構築された機能を持っています。当研究室では、これら生体の優れた機能をヒントにしながら、世界初の機能性有機材料を創製して、社会を豊かに持続可能にすることを目標にしています。

①人工酵素触媒を用いた高速通信材料の開発

 生体酵素が高選択的に反応制御する機能のみ抽出した人工酵素を用いて、高速通信用の電子部品材料の開発を行っています。大量データを高速に通信できれば、スマホやクラウドの利便性向上だけでなく、車の自動運転や遠隔地の医療など社会をより豊かにすることが期待できます。

②光合成や呼吸酵素を模倣したエネルギー関連材料等の開発

 光合成ではクロロフィルという錯体色素が太陽光を吸収し、呼吸酵素は複核錯体により他電子レドックスを担っています。これらの生体機能を模倣した、グリーン水素の製造や二酸化炭素の利用に関連する材料を研究しています。またEVの航続距離を延ばすよう二次電池の高容量化にも取り組んでいます。

                    

 

       上記に関連する代表論文:

          ①精密重合触媒

            Catal. Sci. Tech. 2023, 13, 4968 (Inside Back Cover)

         Polymer, 2021, 237, 124345

               J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 7236

               J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 8529

 

        ②多核錯体材料

                Chem. Commun. 2014, 50, 677

                Chem. Commun. 2013, 49, 10459

                J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 10372