金、銀、プラチナなどの中性子過剰原子核の宇宙における起源を求めて

 2025年画像関連学会連合会第11回合同秋季大会が、10月27日、28日に名古屋大学の物質科学国際研究センター「野依記念学術交流会館」で開催され、基礎理学科出身の杉さん(理工学研究科修士課程自然科学専攻2年生宇宙地球コース指導教員:伊代野教授)が学会発表を行いました。
 杉さんは、岡山理科大学ー名古屋大学ー神戸大学の共同研究であるGRAINE実験(宇宙ガンマ線観測計画)に参加し、私たちの生活に欠かせない金、銀、プラチナ、鉛などの中性子過剰原子核が宇宙の何処で、いつつくられたのかを解き明かす為、宇宙線重原子核組成比の観測を行っています。
 今回の学会では「機械学習による原子核乾板中の宇宙線重原子核飛跡の検出と飛跡特徴による核種同定」というタイトルで、口頭発表を行いました。機械学習で得られたデータの後処理を提案し、データに含まれるノイズを8割削減できる方法を示しました。また、原子核核種同定の鍵となるシミュレーション(JAEA開発のPHITS)の進捗状況も報告しました。発表後は多くのコメントが寄せられ、発表終了後も質問者と長く議論を続けていました。
 今後、元素組成分布から重元素の起源が超新星爆発なのか、連星中性子星合体なのかに迫る結果が出てきます。楽しみです。