2019年度は曲線の話が中心です。
(1) 領域選択ゲームの研究(1人):大阪市大の方が開発されたゲームです。平面上に自己交叉が横断的な二重点のみの正則閉曲線を描き、各二重点にランプが点灯もしくは消灯した状態で置かれており、ひとつの領域を選ぶごとに、その領域に接しているランプのオン・オフが入れ替わるという設定で、すべてのランプをオンにせよという問題は必ず解があることの証明を勉強してくれました。
(2) ある閉曲線属の形状についての研究(3人):3つの円運動の和として表せるような閉曲線について、パラメータtの係数とその曲線の形の関係について調べています。ある係数から1を引いたものが回転対称性の対象度を表すこと、別の係数が曲線の回転数を表すこと(もちろん正則であることを仮定して)がすぐわかります。また、曲線の「頂点」の個数の半分(曲率が極大になる点の個数)が二つの係数の差になることが正しそうです。
(3) 同心円が渦巻きに見えるような錯視の研究(1人):表題のような錯視がうまく見えるような図の描き方を工夫しています。
卒論発表会は2月14日。どこまでできるでしょうか……ちょっと不安です(笑)。
春学期は"Topology of Numbers"を読みましたが、秋学期になって結局、一昨年度・昨年度の卒業研究(曲面上の正則閉曲線の回転数)の続きをしてもらうことになりました。とりあえず曲面としては向き付けられた完備ユークリッド的/双曲的曲面のみを考えて、その場合にすでにできている「回転数」Wの復習と、新たな正則不変量Iの導入、それらが一致することの証明を書いてもらっています。随時適当に分担を決めて、書いたものを幾何ゼミのファイルサーバ―にどんどんあげてもらっています。今月中になんとかまとまりそうです。
そのあと、向き付け不可能な曲面の場合に移るか、それとも発表の準備に移るかは未定。
2月に行われる卒研発表会に余裕で間に合うようなスケジュールになると嬉しいです。
今日、9月卒業生の卒論発表会が開催されました。地学のN君一人の発表会でした。とても面白いサイトを教えてもらったので、発表会の後、早速遊んでみました。
そのサイト:地理院地図3D
http://cyberjapandata.gsi.go.jp/3d/
好きな場所の立体地図を作ることができます。発表では3Dプリンタを使った模型の作成の話をされましたが、webページも作ることができます(ただしOSや対応ブラウザに制限があるようです)。
三野の地図と理大の地図を作ってみましたので、マウスでぐりぐりして遊んでみてください。
三野:
http://surgery.matrix.jp/ent/3d/mino/
理大キャンパス:
http://surgery.matrix.jp/ent/3d/ridai/
※おまけで大阪・天王寺七坂付近の3D地図もどうぞ。
http://surgery.matrix.jp/ent/3d/nanasaka/
2017年度のゼミ生には、アラン・ハッチャーさんの "Topology of Numbers" という教科書で腕慣らしをしてもらおうと思っています。ご自身のサイトで公開しておられます:
https://www.math.cornell.edu/~hatcher/
AMS(アメリカ数学会)の Open Math Notes のページからもダウンロードできますが、不具合があって各ページの最下部が読みづらいです。
https://www.ams.org/open-math-notes/omn-view-listing?listingId=110676
内容は「数」の話ですので代数学ですが、図形を使うので楽しめそうです。
レベルは大学の初年次程度。問題は「英語」ですね。