基礎理学科には7つの教育分野と5つの研究分野
教育は自然科学の基礎が全て学習できるように数学、情報、物理、化学、生物、地学、科学教育の7つの分野を基礎理学科の専任教員が教育します。卒業研究は、生物化学、地球環境、数学・情報、物質物理、科学教育の5つの分野に別れて先端の研究を行ないます。2年次末までに希望する卒業研究分野を決定し、その分野の専門科目を学んで卒業研究に備えます。

 

基礎理学科の研究分野

生物化学

教育については生命科学、生理学、生物情報学、有機化学、物理化学、分析化学などの基礎的な科目を、またこれらに関連した実験を開講しており、これらを受講することで、中学校・高校の教員あるいは産業界の技術者として必要とされる基礎的知識を習得できるように配慮されてます。また最終学年では生物学、化学の2分野の研究室のいずれかに所属し、卒業研究・論文の作成を通して、最新の知識や技術を身につけるだけでなく、アイディアの提案や作業仮説の検証など研究の本質を理解することにも重点が置かれています。研究室におけるテーマは、神経生物学、遺伝学、分子細胞生物学、有機材料化学、金属錯体化学、環境分析学などです。

 

地球環境

人間活動の急速な拡大によって、環境汚染、酸性雨、地球温暖化など、地域から地球規模まで環境の悪化が進行しています。また、同時に、エネルギーと物質の地下資源の有限性も問題になっています。このような状況の中、”地球の姿”を知り、理解することは環境問題の解決のために大変重要なことです。生態学研究室では、身近に見られる生物とその生態場所を調査し、それらの生物と環境との関係を明らかにする研究を行なっています。地学研究室では、岩石、鉱物、水など、地球の表層を構成している物質とその循環を研究の主な対象としています。学生は、生態学、環境科学、地球科学、鉱物科学、地球化学等の講義とともに、室内実験、野外実習を通して、地球のすがたと地球環境に関する知識を学び、また、観察、観測の技術を習得することが出来ます。

 

物質物理

光を中心に据え、光の発光機構、光-電気のエネルギー変換、圧力や温度による光学的性質の変化に注目し、半導体やガラス、イオン結晶などの実験研究を行なっています。研究室の方針は「なぜ」という疑問をもつことを出発点としています。孔子の言葉「学んで思わざれば即ち暗く、思いて学ばざれば即ち危うし」は科学する者にとって大いに参考になると思います。学び考え、考え学ぶ心が大切です。これを卒業研究で身につけます。実験研究を行なうには、物理以外に化学や数学の知識が必要ですが、頭で考えるだけでなく、身体や手を動かして新しいことを発見することが大切です。研究にはコンピューターも多用しています。

 

数学

代数学、幾何学、解析学を中心とした純粋数学と情報について研究しています。教育面では自然科学の基礎としての数学教育を担当するとともに、教員免許の数学・情報部門を担当しています。また、4年次の卒業研究で数理情報を選択した学生に対してはゼミ形式でより高度な数学・情報知識の習得をはかっています。また、最近の情報関係の発展を睨み、パソコン、WSから大型コンピューターまで扱うことが出来るように配慮しており、4年次の卒業研究で計算機を扱うことも出来ます。このように、数学・情報教員志望者だけでなく一般企業に就職を希望する学生に対して十分配慮しています。

 

情報

情報教育は、一人の専任教員を中心にしてその他6名の兼任教員で支えられています。情報教育をコンピュータの専門家育成とは考えず、自然科学の研究に情報を活用できる人物養成を目指しています。

 

現代教育

現代教育の研究対象は非常に幅が広いです。理科教育の内容や方法に関する考察から人文・社会科学をも含めた科学全般の教育に関する研究まで、多様な領域を含みます。当研究室では、その中から特に、社会と科学技術の相互関係を環境教育の観点から探求したり、さまざまな教育問題を社会調査の手法を通して科学的に検討したり、スクール・カウンセリングの理論や技法の研究などに取り組んでいます。

基礎理学科の上には大学院(総合理学専攻)があります。