牛窓町「前島」で野外実践!(5月)

2014年5月31日,6月1日の一泊二日で二年生野外実習科目「野外実践指導実習1 A日程:前島.磯採取のすすめかたと生物同定,春の星座と星の観察, 

地質調査―化石の採取と観察,海砂の顕微鏡観察」を実施しました.場所は,瀬戸内市牛窓町前島の加計学園臨海研修施設です.真夏のような日差しと気温の中,2年生30名と教員,TA合わせて40名強が,課題に取り組みました.
 5月31日9:30大学に集合し,バスで一路牛窓港前島フェリー乗り場に向かい,11:00過ぎのフェリーで渡峡して,前島に到着.昼食後は,満潮時の磯採集を実践します.磯の生物を研修所に持ち帰り,デジタルカメラで記録をとりながら生物同定に取り組みます.15:00から1時間は海水キャンプ場の海砂を採取して,プレパラートを作成し,実体顕微鏡で鉱物の同定をします.砂1粒ごとに色,形,磁性を調べます.河川のほとんどない前島の海砂がどのように形成されてきたのか,地球科学的な歴史に迫ります.16:00からはいよいよ大潮の干潮です.海藻や海苔などが付着した海底が大きく露出した海岸付近で,海洋生物を採取します.ついでに泳いでしまう学生さんもいました.日差しは強く,気温も高いのですが,日陰の風はやはり寒かったです.
 夕食後は,星の観察です.天気予報は大変良いのですが,黄砂の影響が心配されました.20:00~と21:00~からの2グループに分かれて,星座観察の方法や双眼鏡の種類と使い方,望遠鏡を使用した惑星の観測などを行いました.空は思いのほか透明で,沢山の星座を確認することができました.惑星では,土星の南中時間と重なる好条件を利用して,反射望遠鏡で土星の環を確認しました.また,22:30を過ぎると夏の星座が東の森の上に確認できるようになりました.すると,南のさそり座,いて座からわし座アルタイル,白鳥座のデネブにかけて天の川がはっきりと見えました.天の川を見るのは初めてという学生さんも多かったです.岡山市内では見ることのできない貴重な経験でした.前島研修施設の管理人さんも,「こんなに天気のいい夜は珍しい.普段の行いが良いのかな?」と言ってくださいました.今回の野外実習は新月から3日目(三日月)にあたり,観測条件は天候さえよければ最高と言うことは分かっていました.あまりにも天気がよく,星がきれいだったので少々夜更かしをしてしまいました.
 6月1日は,化石の観察と採取です.貴重な化石を少しずつ持ち帰り,貝類の同定をします.転石をハンマーで慎重にたたきながら,目的のものを手に入れました.化石は我々に前島形成の歴史を物語を伝えてくれています.同時に,その時代の古環境・古気候を知る手掛かりとなります.気候は全世界的な規模の現象です.世界的な海水準変動などを知る手がかりです.
 昼食後は,生物同定,化石,星空観察のまとめをそれぞれ齋藤達昭先生,山口一裕先生,伊代野淳先生が行いました.その後全員で宿舎,研修所の掃除・後片付けを行い帰岡しました.
 大変気温の高い二日間でした.大変充実した時間を過ごしましたが,体はおもいのほか疲労していたようです.
 2年生の皆さん,お疲れ様でした.TAの皆さん協力ありがとうございました.2年生の野外実践指導実習は今後9月,10月,11月にも開催されます.
楽しみにしましょう!