宇宙ガンマ線観測計画(GRAINE実験)の2023年気球フライト準備に参加

 高角度分解のを有する原子核乾板を搭載した検出器を気球で地上35km程度上空に上げ、高エネルギー天体から放射される宇宙ガンマ線を、観測する計画がGRIANE実験です。PIは神戸大学の青木茂樹先生です。

 2022年度の研究室のゼミ生4名が、名古屋大学で実験準備に参加しました。2023年のフライトに向けて準備が最終段階に入ってきました。画像は、気球ゴンドラとの記念です。

gond

原子核乳剤の製造、原子核乾板の製造・現像の一連の作業を行いました。

名古屋大学理学部物理学科F研の皆様ありがとうございました。

2021年11月19日の部分月食の観望

2021年11月19日の部分月食を研究室メンバーで観望しました。
新原先生が準備された望遠鏡で、赤銅色のグラデーションがきれいな月食でした。新原先生、ありがとうございました。

2021年度秋学期「自然探究ゼミ」(プレゼミ)始まりました。

2021年度秋学期3年生対象プレゼミ科目「自然探究ゼミナール」が始まりました。

伊代野研は、情報ゼミでpythonと宇宙ゼミで購読と実習です。情報ゼミでは手始めに、COVID19の感染者数データ(CSV)にアクセスして、pandas、numpy、matplotlibの練習。

covid19_20211002

このグラフは、2021年10月1日までの感染者数の推移を、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県について並べたものです。「位相のずれ」があったりなかったり、「一か月間増えて、その後一か月間減る」など、緊急事態宣言とかまん延防止措置法とを超える自然のメカニズムがあるのかと思わせる振る舞いがあります。などと考えることをデータサイエンス、基となる正確なデータを揃え、そのデータを蓄え、ルールの下でアクセスできる環境を整備することをデータエンジニアリングというのかも。後者は最先端のバックエンドエンジニアですね。

追加:埼玉、千葉、東京、神奈川

 

NEOWISE彗星 (C/2020 F3) がB7号館屋上にも来てくれました

ネオワイズ彗星がB7号館屋上にも来てくれました。 先週2020年7月17,18,19,20日と連敗でした。20:27から5分程度の雲の切れ間でした。奇跡の5分間でした。

機材:Canon Kiss X9とTamronSP 70-300F/4-5.6 ISO3200 f/4 1.3秒(オリジナル画像)

以下は、1200×800pixlesに縮小 70mmで撮影:↓

IMG_8210

70mmで撮影+コントラスト強調:↓

IMG_8210_CONT

SN10の星図:↓

SN10_NEOWISE2020f3_202007212030

~170mmで撮影:↓

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~170mmで撮影+コントラスト強調:↓

IMG_8223_CONT

p.s. B7号館屋上から引き上げる時、天文部の学生さんと行き違いになりました。幸運を祈るばかりでしたが、・・・

 

研究室では、原子核乾板を用いたsubGeVガンマ線天体の観測を中心テーマとして、宇宙線原子核組成の起源の研究をしています。 その他にも、流星観測と起源、データ解析プログラム開発をしています。

 

 

オープンキャンパスが2020年7月25日と26日に開催されますので、一言:
基礎理学科の学生さんには、望遠鏡を使った天体観測の(1)計画、(2)実施、(3)まとめの指導ができる理科の先生になってもらうこと、そしてコンピュータを駆使できるようになってもらうことを技術的な目標として接しています。何よりも、科学の楽しさや難しさ、醍醐味、挫折感、驚き、落胆、光と影、anomalyの発見・確認・再現に始まる新しい科学の世界を伝えられる人間にしたいと考えています。

 

 

1年生対象「基礎理ゼミ:研究室紹介のQ&A」2019/11/27

2019年度1年生対象「基礎理ゼミ」の研究室紹介が開催されました.
提出されたレポートよりQ&A集を以下作成しています.(まだ書きかけです)

Q.知らない言葉はゆっくりと丁寧に説明
A.
そうですね。詳しくは、2年次開講科目の宇宙科学1や更に2で説明します。今回は研究室紹介なので、研究に特化した話題提供でした。

Q.ガンマ線で何が分かるか
A.
 電磁波は、波長の長い順に並べると電波、赤外線、可視光線(赤橙黄緑青藍紫)、紫外線、X線、ガンマ線となります。ガンマ線は最も波長が短い電磁波です。波長が10nm以下、10pm以上をX線、10pm以下をガンマ線とおよそ分けます。1Å=10のマイナス10乗メートル=0.1nm=100pmとなります。固体の原子間距離が数Å程度=数百Åですので、ガンマ線の波長はそれよりもかなり短いです。
 エネルギーという切り口で考えると、ガンマ線は光量子のエネルギーが数百keV以上の電磁波の総称です。ガンマ線の生成には、原子核か素粒子に関係する現象が必要になります。ガンマ線が関与する現象を、我々の分野では”非熱的現象”と言います。熱で作ることができる電磁波はX線までで、それ以上のエネルギーのガンマ線は、0.5MeV/c2の質量をもつ電子対の生成プロセスで制限されます。
 つまりガンマ線は宇宙や天体における素粒子や原子核現象の研究ツールとなり、元素合成や物質の起源、極限状態の宇宙現象を見ていることになります。

Q.オリオン座の絵ありがとう
A.
 オリオン座のベテルギウスが2019年12月に入り急激に暗くなっていると話題になっています。赤色超巨星のベテルギウスはリゲルより暗いのにもかかわらずオリオン座のα星になっています。冬の大三角は、ベテルギウスーシリウス(おおいぬ座)-プロキオン(こいぬ座)から成る正三角形のはずですが、2019年の12月はリゲルの方が目立つので、確かに鈍角二等辺三角形のように見えます。
宇宙科学の講義で使う教科書には、
・リゲルー青白ー15,000K
・シリウスー白―10,000K
・プロキオン―黄-6,500K
・ベテルギウス-赤-3,000K
と紹介され、色と温度の関係の良い題材になっています。ベテルギウスは、超新星爆発の候補天体として天文学・素粒子物理学・高エネルギー宇宙物理の世界で注目されています。地球からの距離は約640光年(約200パーセク)と遠くない天体であり、地球にも超新星爆発の影響があるかもしれないと言われています。実際は、ベテルギウスの自転軸の関係で心配はないようです。2019年末は減光中ですが爆発の兆候かどうかは不明です。

Q.波長の調べかた
A.
光は電磁波の中の可視光領域の略称と考えると、わずか0.36マイクロメートルから0.8マイクロメートルの範囲の電磁波をこのように呼んでいます。波長の長い方から(赤外)赤橙黄緑青藍紫(紫外)となります。紫外線より短い波長域には順にエックス線、更にガンマ線があります。どちらも透過力が強いので、扱いを間違うと有害であり注意が必要な電磁波です。波長が長い方は、赤外線(熱線)、電波(サブミリ波、ミリ波、マイクロ波、超短波、短波、中波、長波)と呼ばれています。スマートホンは、電波を使って通信しています。WiFiも電波です。それぞれ波長を調べてみると手のひらサイズの理由が分かるかもしれません。ちなみにTVやFM電波の波長は、3m程度です。FM放送を楽しむ人は、ラジオのアンテナと人の位置関係で聴き難くなったりすることを体験したことがあると思います。
例えば電磁波(可視光)は波であり、媒質中を伝わる波はその振動数と速度にある種の関係があります。波の波数kと角振動数ωの間の関係を分散関係といい、白色光がプリズムで七色に分かれて見える現象(分散する現象)に由来して、このように呼ばれます。この現象は、ガラス中を伝わる電磁波の速さが波長ごと(角振動数)毎に異なることで起こっています。基礎物理学やより進んだ物理系の講義で扱われます。お楽しみに。

Q.完全黒体の説明(紫外線とか)
A.
鉄やガラスを熱すると赤やオレンジ色、黄色っぽく見えたるする現象を知っていると思います。物体の色は、その温度によって胃変化するという現象を輻射とか放射と言います。この現象を1900年にプランクが「光はエネルギーhνの粒子である」と考えて、理論的に説明しました。これがプランク分布(輻射公式)と呼ばれています。この分布は、以前より知られていたレーリー・ジーンズの法則、ステファン・ボルツマンの法則、ウィーンの変位則をすべて説明するものでした。これが量子力学の始まりです。このプランク分布で扱う物質は、あらゆる波長の光を吸収し、あらゆる波長の光を放出する理想的な「(完全に)黒い物体」なので、プランク分布は黒体輻射分布と呼ばれます。星の温度は、このプランク分布において最もエネルギーが放出される波長域とその物体の温度の関係を使って、星の色から温度を知ることができます。青い星は20,000K、白い星は10,000K、黄色い星は6,000K、赤い星は3,000Kです。太陽の様な6,000K程度の温度の星は、0.5μm程度の緑色にピークがあるので、緑がかって見えるはずであるが、実際には黄色く見えます。これは、星表面付近は黒体輻射からずれ青色が少なくなっている事と地球大気が青色を散乱(レーリー散乱)してしまうからです。ご注意ください。

Q.情報の話が知りたかった
A.
 情報という切り口はたいへん少なかったと思います。工学部でも情報科学でもない基礎理学科の情報の役割を考えると、システムの勉強が重要と考えています。(書きかけ)

Q.なぜ星座を知る必要があるか
A.
 空を見上げた時に、星が見え、その星に色があり、何か意味ありげな並び方をしているとその星座を認識できます。オリオン座、夏や冬の大三角、北斗七星、はくちょう座などです。しかし、誰でもすぐにわかる星座はそれほど多くありませんが、あの星はずいぶん明るいなとか赤い星だなとか思う瞬間はあると思います。すべての星がどのような星であるかを暗記するという意味ではなく、星座と関連させてその位置を確認できるようにすると、星空を眺めることが楽しくなります。その入門が夏と冬の大三角や春の大曲線、秋の四辺形などです。その次が、黄道12星座です。星座はたまたまその様に見えるだけで、それぞれの星になにか天文学的に意味があるわけではない場合がほとんどです。でも、星を見つけるときには、星座は大変便利な道しるべです。10個程度覚えると、隣の星座とか星座と星座の間の淡い星座などが次々に見え始めます。
 観測したい星座の最も観測に適したシーズンを割り出すためには、まず星座を判断の基準にします。今どきは、シミュレーションツール(アプリ)で何でもできてしまいますので、人により判断の材料は様々で良いと思っています。実際、私も南半球の星座はダメですので、ツールに頼ります。

Q.AIも役に立てたい
A.
(まだ書きかけです)

Q.ジェットって何ですか
A.
(まだ書きかけです)

Q.星座の決め方?
A.
(まだ書きかけです)

Q.卒業後の進路
A.
(まだ書きかけです)

Q.膨張宇宙・ダークエネルギーなど宇宙論の研究はしていません.
A.
(まだ書きかけです)